一筋縄では逝かせない★
「何なの?あの態度。奴らの仲間を私たちが助けてやったってのに。」
無理矢理船に乗せられた桃子はご立腹のようです。
「桃子。」
兄はしーっと口に人差し指を持ってきて桃子に黙るよう合図しました。
「(そいえばそんな状況じゃないんだった…にしても私いくつよ。)」
桃子は1人、ノリ突っ込みをするのでした。
「あ、あの…」
桃子が1人芝居をしている頃。
畑おばあさんは殿様の言葉に動揺を隠せずにいました。
「もう一度…言っていただけませんか?」
「私が命令してあなたを鬼ヶ島に寄越したと言ったのです。」
殿様は戸惑う畑おばあさんの目を見て、逸らすこともなく淡々と言葉を並べていきます。
「だから息子を自分の城に呼び付けたのですね。」
「ええ。せめてもの償いを、と思いまして。今日もあなたとあなたの息子さんがいると知って、ここまで謝罪しにきたのですから。」
殿様はそのまま深くお辞儀をします。
「私もここにいるとなぜわかったのです?」
畑おばあさんの問いにミッシェルはまた強く、顔を歪めました。
そして、殿様の返事を待ったのです。