一筋縄では逝かせない★



「なぜ分かったか…か」



殿様はそう呟くと、ふっと自嘲的な笑みをもらしました。



「…それが私にもよく分からないのだ…知らず知らずのうちにたどり着いていた。ただ…」



「ただ?」



殿様の言葉に、畑おばあさんとミッシェルは思わず身を乗り出しました。



他の者たちも、やはり気になるのか耳をそばだてます。



「あの男…私の家来が妙に事情を良く知っていてな…こうしてたどり着けたのも、彼あってのことなのだよ…」



「あの男…」



みんなは視線をゆっくりと動かし、少し離れたところで遠くを見やる家来の姿を訝しそうに見つめました。



「妙に…事情を…?まさか…あの人…」



ミッシェルは静かに目を細めました。




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