一筋縄では逝かせない★
「あぁ、あの箱なら似たのをどっかで見たなぁ」
船長の父の言葉にバッと皆の視線が集まりました。
「あれが?」
「そうそう、えーっと確か…あれだよあれ…あの…」
「(焦れったい…ッ)」
皆の心がひとつになった時、
「正月!」
「はあッ!!?」
「正月にあんなもんなかったか?あんな箱がいくつも…」
「それって…」
「重箱!!」
「そう!それだ、そんな感じの名前だった!」
「あんた…」
桃子は船長の息子の肩をポンと叩き、
「苦労してんのね…ドンマイ」
と憐れみの目をして言いました。
「あ、そう言えば、カメ」
「ピョートル=チャイコフスキー=ミッシェルボーゲン!!」
「ところで、ピョートル=チャイコフスキー=ミッシェルボーゲンさん、箱の気配はどうなったの?」
桃子は諦め顔のミッシェルに聞きました。