一筋縄では逝かせない★
『あの男…私の家来が妙に事情を良く知っていてな…こうしてたどり着けたのも、彼あってのことなのだよ…』
「……は!」
桃子の脳はフル回転し、即座に結論を導き出しました。
「(間違いない…本物の箱を持っているのはあの…家来!!)」
「ちょっとぉ…あんたっっ!!」
家来に向かって飛び付こうとした桃子は、
「…っぐ!?」
兄に服の襟元をくいっとつかまれました。
「な…っなによお兄…っ」
「ちょっと待て」
「なんでよっ!」
「家来が箱を持ってるってのはまぁ…確かだとして…家来が箱についての諸々を把握してるかどうか…ってのは?」
「…っぐ…」
「もし今ここで追い詰めて、あいつが箱を壊してしまいでもしたら?…“箱に関わった者”ってのがどれくらいまでの関わりの奴を指すのか知らないが、」
「…分かったわ。ここで衝動的にアクション起こすのは得策じゃないってことね」
桃子は兄の言葉を遮って言いました。
「さすが桃子、物分かりがいい。…じゃあちょっと話し合おう。」