一筋縄では逝かせない★



「ねぇお兄ちゃん?…まずやっぱり気になるんだけど“関わった者”の範囲って…」



「…そっから入るんかい!…あ、いや、もちろん俺も気になるんだけどさ…」



兄は桃子に睨まれ、若干怯みます。



「あらやだわたし睨んでた!?…そんなつもりじゃないのよお兄ちゃん!!」



「……あぁ分かってる…けどこれからは無駄な突っ込みはよすよ…」



どうも話が逸れているようです。



「…えっと」



兄がこほんと咳払いをして話を仕切り直します。



「“関わった者”の範囲だけどな…まずは、“箱を実際に使った者”、つまり、箱に触れた…っつーかかぶった奴だ。」



あの箱かぶってないしだいじょーぶ、と桃子が小さく呟きます。



「次に“箱の存在を知っている者”。」



…し、知ってるわ!と桃子が正直に叫びます。



「最後に…“箱を使ったことにより見える映像の中に登場した者”…」



あいつが何見たかなんて知らないわよ!と桃子が青ざめて言います。



「…ま、どれが正しいかなんて分かんねぇ。だからとにかく、俺等は無関係じゃないと思っておいた方がいいだろう」




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