一筋縄では逝かせない★
船の上の雲行きが怪しくなっている頃、天候の雲行きも怪しくなっていました。
「こりゃあ、まずいかもな…」
「何かあったのか?父ちゃん」
「早々にどっか陸に上がらねぇと…」
「無視かよ、父ちゃん」
何やら船長は息子の言葉も耳に入らない程、慎重になっていました。
「ねぇ、何か天気悪くない?」
「そう言えば…波が」
船上の一同が気付いた頃には、辺りは灰色に包まれていました。
海も空も濃い灰色です。