一筋縄では逝かせない★
その頃まだ海の中に残る者の姿が。
―ゴポゴポゴポ…
肩から提げる鞄の中の四角い膨らみが、波によって揺れていました。
それを海の中で動かせているのは、紛れもなく家来でした。
その時、
「!」
家来の目の前にカメが現れました。
「ガッボボ、ブバブ!」
「“さっさとどけよ”だって」
「残念ながら、それは出来ないんだなぁ」
「特に口の悪い奴はなぁ」
ジロリとカメは家来を見ました。
家来は身構えました。
複数の、数えきれない数のカメに包囲されていたからです。