一筋縄では逝かせない★
「…ぁ」
突然、破壊行為を延々と続けるかと思われた女神は動きを停止しました。
「あのカメ…っじゃなかった、ピョートル=チャイコ…うんたらが置いてったガラクタが確か庭に埋めてあったはず…てか埋めたわ」
随分酷い扱いようです。
「どこだったかしらー…あったここだわ」
呆気にとられる門番らの目の前をすたすたと横切り、女神が庭と言う名の水草がが青々と茂る一角にたどり着くと、
「…ほらこれ。立てといて良かったわー」
“カメ”とどでかい看板が立てられていました。
女神はそこをざっくざっくと掘り返します。
「そうこれよ。…何これ、ロボット?」
女神は忌々しげな顔をしてそれを地面に向かって投げつけ、くるりと背を向けました。
「なんか役立つかと思ったのに。期待して損したわ」
―その途端。
ガガ…ピ―…
「…へ?なんか今音しなかった??」
女神が振り返ると、投げ付けられた衝撃のためか、ロボットカメの甲羅から何やら受話器のようなものが飛び出して機械音を発していました。