一筋縄では逝かせない★
「黒い箱、だけじゃなくてあの怪しいって言ってた家来と、船長もいない。」
犬がゆっくりと、もう一度皆を見渡しながら呟きます。
「おれらはどうすればいいの?ピョートル=チャイコフスキー=ミッシェルボーゲン。」
「覚えててくれたんですねえぇぇぇ…。」
そう嬉し涙を流すミッシェルをよそに兄は口を開きました。
「とりあえず、3つに分かれねえか?」
「3つ?」
「ミッシェルと、黒い箱を探すチーム、船長を探すチーム、あと家来を探すチーム。」
得意気に話す兄にぴしゃりと桃子が言葉の鞭。
「私は反対ね。これ以上話がごちゃごちゃするのはごめんだわ。それに、何より作者が困るじゃない。」
「……作者の心配してんなよ。」
呆れ顔にも気付かず桃子は自分で勝手に仕切りはじめます。
「黒い箱を探すのを優先させましょ。何かわかるかもしれないし。」
「…そう、ですね。」
唯一乗り気じゃないミッシェルに桃子は疑問を抱きます。
「どうしたのよ。」
「黒い箱の気が、1ミクロンも感じないんです。」
これは新たな問題なのでしょうか。