一筋縄では逝かせない★
「(あー、何かもう訳分かんなくなってきたわ…。)」
みんなが船長、船長と騒いでいるときに桃子は1人、深いため息をつきました。
「(黒い箱も、あの謎の家来もいなくなって。)」
うーん、とうなる姿でさえも誰も気付いてくれません。
「(それに…。あの後ろのカメが噂のミッシェル二号?)」
桃子はさらに顔をしかめます。
「桃子、顔が険しすぎるぞ。」
「しょうがないじゃない。」
「…時間が解決してくれるさ。」
兄の全然頼りにならない台詞とかぶせてプルルル、と電話の音が鳴り響きます。
「ミッシェル、電話、鳴ってるわよ。」
「桃子さん、僕のフルネーム知ってる?」
「電話がなってるわよ。」
何もかもだるくなってしまった桃子に、ミッシェルの相手はかなりキツい様子。
「ちぇっ。はいはーい?どーなた?」
ミッシェルはテンション高く電話に出たのでした。