一筋縄では逝かせない★
「…おぉっ!?」
ようやく煙のもうもうと上がる辺りまでやってきたおじいさんは、目の前の光景に言葉を失いました。
そこでは既に、何本もの木が炎に包まれていました。
「なんと…陶磁器工房じゃない…」
おじいさんはがっくりと膝をつきました。
ごうごうと燃え盛る炎を目の前にして、消えかけていた“高級な湯呑み”への欲望の炎が再びおじいさんの中で燃え上がりました。
「…くそぅ!!わしはやっぱり有名な窯元で焼かれた湯呑みで緑茶を飲むんじゃ!もう妥協はせん!」
おじいさんは高らかに宣言しました。
その時です。
おじいさんのお腹がタイミング良くぐうっ、と鳴りました。