一筋縄では逝かせない★
「でも、こんな所におかきが落ちてるなんて、可笑しいじゃない!これは故意に落とされた物よ!!」
「その勝手な断定はどうかと思うんだが。」
犬はまたも、ぴしゃりと言い放ちました。
「じゃあ、あんたが嗅ぎなさい」
「へ?」
「あんた犬なんでしょ?そんな事も忘れたの!?いい加減にしてよね!」
ふんっと、おばあさんは腕組みをして、何故か犬を蔑みました。
「判ったよ、やりゃあいいんだろ!やりゃあ!!」
犬は半ばキレ気味で面倒臭そうにおかきを嗅ぎ始めました。
「しかし、熱いな…これじゃ俺の鼻も鈍っちまう」
犬はだらだらと汗もかいてきました。
「おい!そこの暇そうなババア!この炎どうにかしろ!!」
「ど、どうにかしろって…」
おばあさんは始めは困惑の表情でしたが、意を決した様に よしっ、 と言い、炎に立ち向かい、
「あの技を使う時がまた来たようね!!」
と、炎を睨み付けました。