一筋縄では逝かせない★
「“あの技”…!?“また”…!?あんたまさか…“ミラクルEyeズ”を使う気か!?」
犬がわなわなと震えながらおばあさんに尋ねました。
「な…なんであんたが知ってるのよ!“あの技”は確かまだ猿にしか…!!」
おばあさんも驚きに声を震わせながら言いました。
「この間…猿が寝言で言ってたんだよ…苦しそうにうなされながらその技の名を…!」
「あ…んのバカ猿!!どうしてくれんのよ…“ミラクルEyeズ”はその存在を知ってしまった人には効かなくなってしまうのよ!!あぁ、せっかくこのクソ犬に使って火を消させようと思ったのに…!」
おばあさんは動揺のあまり聞いてないことまでぺらぺらと喋り出しました。
「そもそもおじいさんだってこの“ミラクルEyeズ”を使って悩殺して手に入れたのよ……あの頃…おじいさんには結婚を約束するほどの相手がいたの…でもわたしはどうしてもおじいさんを諦められなくて…!」
おばあさんは辛そうに目を伏せました。
「…もういいよ。それ以上何も言わなくていいから…ふ、下がってな、俺が消してみせる!」
犬が格好良く言いました。
言われた通り炎から離れて草むらに座り込んだおばあさんは、ぺろっと舌をだして呟きました。
「上手くいっちゃった♪得意技No.006“愁いの眼差し”☆」