一筋縄では逝かせない★
「こっ、これは…!」
おじいさんは目の前に広がる光景に震え上がりました。
「バ…バナナジュースにアイスクリーム、ブラウニー、ムース、カスタード、マチュドニア、ケーキ、ガレット、ミルクセーキ、フリッター、パフェ、マフィン…サラダに味噌汁、お節料理まで…」
おじいさんは気持ち悪い位の早さでそれ等を一気に言いました。
特に横文字が気持ち悪いです。
「なんと…!セニョリータにバナナの花、ラカタン、モラード、ラツンダン、ツンドク、サバ、プラタノ、バランゴン、オリート…こっちはタイ産じゃ…」
その上、種類まで言い当てました。
「これも全部わしに…?」
おじいさんは地面に両手両足をついてバナナ料理の山に向かって言いました。
猿はおじいさんのそんな姿にシリアスさも忘れ、 へへっ と鼻の横を掻き、鼻高々、ふんぞり返っています。
「…ま、あんたのためならちょろいもんさ…なんてな!」
そう言いつつも、猿の視線はバナナ料理に釘付けです。