一筋縄では逝かせない★
「まさか…お父さまかしら…!?」
桃子の瞳が突然輝きました。
そんな桃子の様子を見て、キジは何やら不吉な予感を感じ取りました。
「そうよ…そうに違いないわ!!」
桃子は思わずキジの首元をがっしりと掴み、ぶんぶんと揺さぶります。
「く……苦しいですっ…桃子さん…っ!!」
キジの悲痛な叫びも、興奮状態の桃子には届きません。
「お父さま…!」
じゅわわわっ、と派手に煙を上げながら、炎がようやく鎮まりました。
−そして。
「…はぁぁぁぁぁぁあぁあっ!?」
おばあさんと犬と桃子とキジと、4人分(主に女性陣)の絶叫が辺りに響き渡りました。
「おじいさんはどこよ!?」
「お父さまはどこよ!?」
はぁーあ、と、犬とキジは深く深く溜め息をつきました。