一筋縄では逝かせない★
「ねぇあんた…あれ…あの炎の向こうに見えるの…何に見える…??」
同じ頃、桃子も必死で視線を逸らそうとするキジをがっちりと捕まえて迫っていました。
キジはとにかく今の、全身からデンジャラスな雰囲気を醸し出している桃子と関わりたくなかったのですが、返事を拒める雰囲気ではありません。
「あー(確かに誰かいますね)…(なんかおばあさんと犬に見えるのは)気のせいですよ…あははっ」
キジは諸々の不都合な表現を省いて感情が全く感じられない返答をしました。
「…はぁ!?何言っちゃってんの!?あんたの目は節穴か!!」
「…」
あ、天使が見える…
キジはあまりに酷な自分の境遇に、一瞬現実逃避しかけました。
「…かもしれません。」
かろうじて戻ってきたキジは、溜め息をつきながら答えました。