一筋縄では逝かせない★
「そんな足じゃ、余計傷が深くなる。そこの切り株にでも座っとけ」
「あ、そうですね…」
「で、何がどうした」
「実は…」
鬼はボソボソと話し始めました。
―鬼達は鬼ヶ島で平和に仲良く暮らしていた。
ところがある日、一人の男が島を訪ねて来た。
困っているそうなので食糧と寝床を数日間与えた。
そうしたらいきなり男がライフル銃を発泡し、島を滅茶苦茶にした。
死傷者は沢山出た。
青鬼は助けを求めて近くの人間の住む村へ行った。
そこは変に静まり返っていた。
一件一件回ってみても、人の気配がしない。
注意して見てみると、そこら中、弾丸の跡や切り刻まれた跡が。
この村も何者かによって滅茶苦茶にされ、立ち去らざるを得なくなったのだ。
それでさまよっていたところ猿達に出会ったと。
「そいつはまだ村に居るって事か?」
猿は不安気に尋ねました。
「多分もう立ち去ったと思います」
「どんな奴だ、特徴は?」
「うーん…あ!桃印の鉢巻きと旗を持ってました」
猿はある人物を思いだし、嫌な予感がしましたが、首を振りそれ等を払い除けました。