一筋縄では逝かせない★
−ここは空の上。
桃子はキジの背中に乗っておじいさんの姿を探していました。
「…あ!」
「何クソキジ!!おじいさん見つけた!?」
「あ…いやそうじゃないんですけど…あそこ見てくださいっ…」
「…?」
桃子はキジが示す方角に目をやりましたが、遠すぎて何も見えません。
「…遠すぎよ。もうちょっと高度下げてくんない??」
「あ…すみません…」
キジが言われた通りに少し高度を下げると、
「な…何なのよあれ!?」
桃子が驚いて叫びました。
そこにあったのは尋常じゃない量のバナナの皮の山。
優に2メートルは越えていそうです。
「あれが…何だっていうのよ…」
「確証はありませんが、あの大量のバナナを猿が用意した可能性は十分あります。猿はバナナが大好物ですから…そして先程おば……」
そこでキジは一度桃子の様子を伺いました。
「クソ…ババアとクソ犬が一緒にいてあの場に猿がいなかったことを考えると…」
「…は!まさか!!」
「…そうです。ひょっとしたら今おじいさんは猿と一緒にいるのかもしれません。となると…」
キジは軽やかに地面に降り立ちました。
「…ふむ、やっぱり。桃子さん、まだお二人はこの辺りにいるようです。」
「どうしてそんなこと言えるのよ?」
「バナナの皮がまだ新しいんです。さっきまでここにいた証拠です。」
キジは得意気に言いました。