一筋縄では逝かせない★
「ここ、見た目以上に広いのな。」
男は呟き、もう一度歩き始めました。
よくよく見るととても整った顔をしている男。
「それにしてもツいてねえ…。なんで俺がこんな森歩かなきゃいけねえんだよ…。」
そして、かなりのお坊っちゃんのご様子。
男は力なく言葉をもらしました。
「ったく。なんだこの旗。運んでもらってるくせに生意気なツラしてんじゃねえよ。」
さらに旗にまで文句をいう始末…。
「はあー…。出口…どこだよ…。」
そしてまた。
遠くを見るような、仕草。
その顔は、とても寂しいものでした。