一筋縄では逝かせない★
みんなが何やら大騒ぎしていたその頃。
「ばあさん…」
「黄鬼さん…赤鬼さん…」
「俺にもバナナ…」
暖かな陽射しの中で、三人は平和な時間を満喫していました。
「…う?」
猿は足に衝撃を感じ、ふと目を覚ましました。
見ると、おじいさんの頭が上に乗っかっています。
「なんで頭がそっちにあるんだ…じいさん…」
猿は疑問に思いますが、
「…ま、いっか」
再び眠りにつきました。
しばらくして、
「…ぐ…!」
猿は今度はお腹の衝撃で飛び起きました。
お腹の上からごろん、と音を立てて落ちたのはおじいさんの足。
「どんだけ寝相悪ぃんだよ…」
猿は呆れて思わず鬼がいるはずの方を見ました。
「…え」
なんと、鬼の姿が忽然と消えていたのです。
「おい!じいさん!!起きろ!鬼がいなくなった!!…てかじいさん鬼のこと知らねぇのか!」
慌てて立ち上がった猿の足下で、
「猿さん…苦しいです…」
鬼がうめき声を上げました。