一筋縄では逝かせない★
「お先に行かせてもらうわ!お母様はもう随分お年を召していらっしゃるのだし、お体は労らないと!ごめんあそばせ☆」
桃子はドンとおばあさんをはね除け、追い抜かしていきました。
「あの小娘ぇー!!」
おばあさんは地面に四つん這いになり、怒りで体を震わせました。
「さっさと追わないと行っちまうぜ」
「判ってるわよ!あんたは黙ってなさい!これは女と女の戦いなの!!」
おばあさんは立ち上がり土をはたき落としました。
「じゃあ、俺達男は不要だな」
犬は立ち止まり言いました。
「黙れと言っただけよ。不要とは言ってないわ。使い勝手いいし。さあ!行くのよ、犬!!」
おばあさんは桃子の方をビシッと指差しました。
「…へいへい」
犬は腑に落ちない顔をして、走り始めました。
「あっちの方、探してみません?」
「お、いいですね」
キジと男は現実逃避をしてみました。
勿論、そんな事恐ろしくて実際は出来ないのですが。