一筋縄では逝かせない★
「おい、こら待て!」
犬は必死で桃子を追い掛けます。
「うあ!(なんで犬様がこんなところに?)」
「人を化け物みたいに言うんじゃねえ!」
犬はとんでもない!と桃子を怒鳴り付けます。
「(人というより…動物?)そんなふうに言ってませんわ!」
桃子は犬に嫌われないように訂正しました。
「それより止まれ!」
「無理ですわ!いくらMr.Dogのお頼みでも!」
犬は軽く頭に疑問符をのせました。
「俺だってやりたくてやってるわけじゃねえよ!」
そのとき。
犬は行く前におばあさんが言っていたことを思い出しました。
「桃子!」
「…え?(今桃子って…きゃはっ★う・れ・し・い!)」
『いい?どうしても言うことを聞かなかったらあの小娘の名前を呼びなさい!それでも止まらなかったら無理矢理でも腕を引っ張るのよ!あんたもだてに男やってるわけじゃないんだから!』
「(ほんとに止まった…)」
犬はゆっくりと桃子の方に歩み寄っていきました。