一筋縄では逝かせない★
「…ちくしょ、すっかり目ぇ覚めちまった」
猿が頭を掻きながら言いました。
「…すみません、起こすつもりはなかったんです…」
「あ、いや…てかお前は悪くないだろうが!俺が悪ぃんだよ!!……さっきはマジですまなかった…」
猿は鬼に向かってぺこりと頭を下げました。
「いえ、いいんですいいんです…猿さん軽いですから…ただ…乗ってる場所が場所で…」
「ありゃ気道塞いでたな…ヘタすりゃ命に関わる…」
猿は今更ながら自分がしたことの恐ろしさに言葉を失いました。
「…ばあさん…」
「あ、じいさんやっと起きたか…どんだけ寝てたんだ…」
ようやく目を覚ましたおじいさんの顔を、猿と鬼は揃って覗き込みます。
「はじめましておじいさん、わたしは鬼…」
「@*§★◎¥℃£!?……おおおおおお鬼!?」
おじいさんは差し出された鬼の手を振り払って叫びました。
「お…驚かせてすみませんっ!わたしはあなたを襲ったりしませんっっ!!どうか話を聞いてください!!!」
鬼は必死に懇願しました。
「…」
呆然としているおじいさんに、猿が簡単に説明をしました。
「何と…!」
話が終わると、おじいさんは両手を握り締めてすっくと立ち上がりました。
「人々の住みかを荒らし、住人に危害を加えるとは…許すまじ!!このわしが成敗してくれるわ!!!」
「…熱い御方なんですね…」
「じいさん…寝ぼけてないか…??」