一筋縄では逝かせない★



「ちょ、じいさん!寝惚けてんじゃねぇよ!!止まれ!」



猿が未だ金棒を振り回し暴走しているおじいさんに叫びますが、おじいさんは周りが見えていないのか、暴走し続けます。



「か、金棒は由緒正しい、神聖な物で…」



ゼエゼエと息を切らしながらも鬼は二人の後を追います。



「おい!もう、いい加減に…」



と猿が先を行くおじいさんに岩を当ててやろうと振りかざしました。



そこに、



「あ、危ない!ま、前を見て下さい!!」



と叫ぶ鬼の声が重なりました。



次の瞬間、ゴンッという、重い音が聞こえ、



「あ…」



ボチャンという音と共におじいさんの姿がその場から消えてなくなりました。



「じ、じいさん!!」



「おじいさん!!」



二つの声が池の周りに響きわたりました。



そうです。



おじいさんは池に落ちてしまったのです。




< 99 / 525 >

この作品をシェア

pagetop