君の全てが・・・


「え!!ちょっと待ってて!!」


私は待たせてはいけないと思い、

急いで二階から鞄を持ってきて

鍵を掛けて、家を出た。


『そんな慌てなくても良かったのに!!』


俊君はおかしそうに笑った。


優しいな・・・。

城谷だったら『遅ぇんだよ。』とか言って、

先に歩き出しちゃうんだろうな。


想像してみたら、

おかしくなって、私は笑った。


・・・また。

アイツの事を考えてた・・・??


・・・最低だな私。

今一緒に居るのは"俊君"なのに。



頭に思い浮かんでくるのは、


――――アイツだけだ。



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