君の全てが・・・



俊君の周りには男女問わず、昨日のことを聞いてるようだった。


そして、その中に居る"俊さまファンクラブ"の皆様が、私に聞こえるように大きな声で言った。


『ってゆーか!!城谷くんに振られたからってぇ、俊さまを利用するなんて最低ぇ~!!』


ズキンッ


『それ分かるぅ!!振られたのは自分に非があるって事なのにぃ!!』


『だよねぇ!!まじ有り得ねぇ!!』


・・・その言葉に何も否定する事が出来なかった。


すると・・・


『何も知らねぇ癖に、勝手な事言ってんじゃねぇよ!!』


そう言ったのは、俊くん・・・ではなくて、私の・・・大好きな声だった。


「・・・健・・・」


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