切腹
前職の勘定奉行の定年により 最年長の 八反が 勘定奉行に 任命されたのは 3年前。
同時に 空いた管理職のポストに 正宗が 就いた 年上の春吉が 在職していたが 正宗に とっては 年功序列では あるが 出世である事に 違いはなかった。
元々が、女好きで あった八反は 奉行に なると 益々夜遊びが 盛んに なった。
正宗も春吉も、毎日の様に 色町 赤線に 誘われた。時には 断ったが 八反が 奢ることも多く 妻には 飲んで帰ると 言いながら 3人で 色町に 繰り出した。
しかし ある日を 境に 八反からの 誘いが ぴったり止まった。
「とうとう 涸れたかのう」
などと 春吉と 笑い話を していると 相変わらず 色町付近で 八反を 毎日の様に みかけるとの噂もあり
(何故か 我々を 誘わなくなったが まだまだ お盛んなのだな)
と思っていると 正宗達に 八反から 久しぶりに 誘いが あった。
しかし その誘い方に 驚かされた。
「わしの恋人を紹介する!」

< 2 / 10 >

この作品をシェア

pagetop