草食系肉食男子と夢子チャン
目を覚ますとリツがスーツに着替えてネクタイを閉めてた。



ネクタイのセンスが何とも言えない…。



デザイナーだけに個性的で尚且つ似合ってる。



「電話あったの?」

「あぁ、お前がガーガーいびきかいて寝てる時にな。」

「あたしいびきなんかかかないよ!!」

「そうだっけ?」



何かいつもと違う…。



表情がやたら優しい…。



それも随分ムリしてるような笑顔だ…。



昨日脱いだままベッドの隅で申し訳なさそうにしてるバスローブを羽織った。



身体が勝手に動いてしまう…。



「一人で平気?」

「ガキじゃねぇんだから…。」

「お母さんに会うのどのくらいぶりなの?」

「調度20年ぶりくらい。」



生まれてすぐ…って事か…。



抱きしめたリツはいつもよりも少しだけ小さく感じた。



不安そうで、苦しそう…。



初めてこんなに怯えるリツを見た…。



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