草食系肉食男子と夢子チャン
カラッカラの喉からはそれ以上声が出ない。



緊張してカップがカタカタ言ってる…。



「だからまだ結婚とか考えられないんで…」

「それは答えになってません!!井坂さんは私がイヤなんですよね?」



やっぱりサヤカさんの読み通り、見合いの相手でしょう…。



震えながらコーヒーを二人の前に置いた。



「イヤとかじゃなくて…。申し訳ないんですが僕は仕事で手一杯なんですよ」

「それは言い訳です。じゃあ私が仕事に理解があればお付き合いしていただけますか?」

「そう言われましても…」



一瞬リツと目が合った…。



あたしから反らしてしまった目の行き場は床しかなくて…。



ペコッと頭を下げてリツの部屋から出た。



もう帰ろう…。



「サヤカさんの予感的中でした~」

「マジ!?何かごめん…」

「いえ…。あたし帰りますね!!お疲れ様でした!!」



泣かないで会社から出た。



なんで黙ってたの…。



お見合いしたなんて全然知らなかったもん…。



「夢っ!!」

「桐島君…」

「送るから。夜道に女一人は危険だ」



桐島君の優しさに泣きそう…。



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