草食系肉食男子と夢子チャン
1月の冷たい雨に打たれて冷えた身体をシャワーで温めた。



そのまま尚人君がくれたトレーナーを着てリビングに出ると、暖かいココアを出してくれた…。



「お兄様が夢チャンを離すとは思えないんだけど?」

「リエさん…」

「えっ…」

「元カノさんが会社に来てさ…抱き合ってるとこ見ちゃってそれっきり…。メールも電話も来ないの…」

「そ、そっか…」

「別れ話しもナイままフラれちゃうのかなっ…」



いくら泣いても涙は枯れない…。



もう泣きたくなんてナイのに…。



「僕はあの女が嫌い。お兄様を騙して駆け落ちまでしたくせに…結局自分可愛さに逃げたんだ」

「えっ?」



そこから尚人君にリツの過去を聞かされた…。



2週間の駆け落ち…。



そこまでリツが愛した人…。



「お兄様が夢チャンをいらないなら僕がもらう」

「何言って…」

「僕ならそんな思いさせないよ?」



ニコッと笑う尚人君だけどどこか恐さを感じる…。



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