草食系肉食男子と夢子チャン
おもむろに携帯を開いた尚人君は誰かに電話をかけはじめた。



「何だ、今忙しい…」

「夢チャン」

「は?」

「いらないならもらいます」

「お前何言ってんだよ!!」



静かな部屋に響く、1週間ぶりのリツの声…。



尚人君と似てる声…。



「今部屋にいます。1時間しか待ちませんよ。僕がどんな男か、お兄様ならご存じでしょ?」

「ちょっと待て尚人っ!!」

「お兄様のお下がりもたまにはイイでしょ。じゃあ失礼します」

「尚っ」



切られた電話は電源を切ってソファに放り投げられた。



尚人君が怖い…。



「焦ってたね」

「…………」

「僕んとこにおいでよ夢チャン。囁いてあげるよ?君の好きな人と同じ声で」

「ヤダ…」

「まぁ後1時間だけ待ってあげる。それでお兄様が来なかった時は…僕しか見れないようにしてあげる」



助けてリツ…。



お願い…早く来て…。



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