草食系肉食男子と夢子チャン
刻々と迫るタイムリミット…。



会社にいるならすぐに出て10分の距離…。



もう40分が経った…。



「お兄様って本当に羨ましいよね」

「な、何が…」

「だってさ、言い寄って来る女とか皆美人だし。頭もイイし顔もあんなにイイ。生まれ変わるならあんな男になりたいな」

「尚人君だって…」

「ひ弱なバカだもん」

「そんな事…」



尚人君は本当にリツを尊敬してる…。



それなら何でこんな事…。



沈黙のまままた時間だけが流れる…。



もうすぐ約束の時間…。



「5、4、3、2、1…さ、時間」

「ヤダ…ヤダぁ!!」

「今更?1時間もあったんだから逃げれたじゃん?」

「だってリツが…」

「来なかった。もう夢チャンは僕んだよ。逃がさないよ」



ソファに押し付けられた腕と重みがかかる身体…。



上にいる尚人君はやっぱりリツに似てる…。



でもリツじゃない…。



リツがイイよ…。



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