草食系肉食男子と夢子チャン
自分に子供がいないからかな、お兄はすごく一汰を可愛がる。



有り難い…。



「リツ、出勤時間!!」

「あぁ、行って来る」

「気をつけてね?」

「おぅ」



こうして送り出して、笑顔で出迎えられる。



困った時はめんどくさがりながらも助けてくれて…。



平凡な幸せだけどあたしにとっては唯一の幸せ。



「おいっ!!今から机の上のファイル持って来い!!」

「ご褒美は?」

「溶けるの」

「行きます!!大至急行きます!!」



まだまだパシリみたいだけどね?



でもあたしは理想の王子様に躍らされるくらいが調度イイの。



優しいだけの王子様じゃ物足りないもん。



もうリツ以外いらない。



一汰も重要だけど!!



小さな王子様と、大きな王子様に囲まれて、あたしの人生、妄想よりも素晴らしい!!



「はい!!」

「助かった」

「ご褒美は!?」

「あとでな!!」

「ウソ!?」

「急いでっから!!」



こんなリツが大好き!!



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