草食系肉食男子と夢子チャン
しばらくしてから零さんの車に乗って律汰君の部屋まで送ってもらう事になった。



前から気になってた事聞いてもイイかな…。



「零さんはどうして律汰君を『若様』って呼ぶんですか?」

「癖ですよ。若様が幼いころから側にいましたから。」

「小さい頃から若様?」

「はい。私の父が若様のお父様の秘書をしてまして。若様が産まれた時から遊び相手でした。むしろ世話役ですかね?」



世話役!?



産まれてすぐに世話役!?



どんな家庭で育ったんだろ…。



「若様の家は複雑なんですよ。これ以上言ったらクビにされかねませんのでもう突っ込まないでいただけますか?」

「はい…。」

「でも…。」

「でも?」

「夢チャンには心を開いてるように思います。だからこれからも若様のそばに…。あっ、これは私の自己満足ですのでやめておきますか。」

「いえ、いますよ。律汰君はあたしの王子様ですから!!」

「あははははっ!!若様が王子様!!ムリがありますね!!」



家庭が複雑なんだね…。



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