プライベート・スカイ
「…今頃帰ってきたのか、透依」

「と、父さん…」

「外泊は許さんと言ってたのが分からんらしいな」

相変わらず高圧的な態度。いつまで上から目線なんだ…

オレは親父の持ち物じゃないんだ。

行動を制限されたくもない。悪い事は何もしてないんだからいいじゃないか。

「オレも、もう24歳だ。自分で自分の責任は持つよ」

'子供のクセに'…とでも言いたそうな顔をして、親父は立ち去ろうとした。

「まぁいい。お前には何も期待せん。それに美夜さんの具合が悪くて様子を見に行ってるそうだしな」

  !?

「…は?!な、何で父さんが知ってるんだ」

美夜の体調が悪いこと…悪いって言うか、ちょっと違うけど
でも、何故…

「佳依が言ってたぞ。彼女から連絡がきて『しばらく透依に迷惑かけるかも』って言っていたと…あそこのお嬢さんは大事にしないとだしな」

美夜が…オレの家に…いや、佳依に連絡してきただと!?

なんだ、ソレ!

しかも相手が美夜だから親父の態度も柔軟だ。

美夜の家が大企業だから…

なんか色んな事に頭にきて、オレは親父に対して何も返事をせずに佳依の部屋に向かった。

美夜と佳依って…顔見知りなのか?!

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