プライベート・スカイ
親父は読んでいた新聞から目を離し、オレをジロリと見た。

「そりゃ…まだ目に見える実績はないよ。大きな仕事だってあまりしてないし。
でもオレは佳依と違って一般からのスタートだし、そんなにすぐは…」

「佳依だって、特別扱いはしていない。一からのスタートで同期の中ではそれなりに頭角を現してるから、仕事を任せたまでだ。

お前は何か勘違いをしているな」

どうだか。
親父は佳依が可愛くて仕方ないくせに。

絶対に特別扱いしてる。

昔からそうだった。
──見返してやりたい


「何故今ごろそんな事を言ってくるんだ。与えられる仕事が不満なら自分で仕事を取る努力をせんか」

「…分かったよ。松江さん、ごちそうさま」

結局、親父にムカついてオレはさっさと席を立った。

オレだって今の会社で業績を上げて出世して親父を見返してやりたいさ。

でもダメなんだ。それだけじゃ…きっとレイナとの事を反対される。

もしレイナと結婚って事になったら、今のままじゃ絶対に許さないのが分かるから

反対できないくらいにオレの力を見せつけたい。

レイナとの未来を守る為と、親父を見返す事。

どちらも諦める事はできなかった。

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表紙・目次

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