プライベート・スカイ
「いらっしゃい、中川さん。…あら、青山くんも久しぶりね」

'お久しぶり'
そうだな、数時間ぶりだよ。今日は本当にメチャメチャ顔を見たかったんだ。

レイナは営業スマイルで中川さんとオレを席に案内した。

当然ながらレイナは、指名してくれた中川さんの隣に座ってお酒を作る。

まるで、中川さんの隣の席に座ることが自然で当たり前の事のようだ。

…言えないジレンマ。

仕事だと分かっていても、中川さんとイチャイチャしてるような気がしてムカつく。

もちろんレイナにもムカついてるよ!

なんだよーアイツ…


「…機嫌悪いでしょ。青山さん」

隣にはオレ指名のアマゾンが座っていた。ますます黒くなったアマゾンは酒を作ってオレに渡しながらそう言った。

「…別に。お前また黒くなったんじゃね?日サロとか行ってんの?」

「行ってないよ~これは天然!夏だから焼けたの!」

「ふーん?やっぱ熱帯雨林で暮らす民族だからな!」

「あたし日本人だから!!も~、機嫌悪いからってあたしに当たらないでよぉ」

「悪くねーって言ってんじゃん」

「…バカ。あれは仕事なんだからね?こんな事でいちいち嫉妬しちゃダメだよ」

…お見通しかよ…
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