プライベート・スカイ
どうしてこんなに上手くいかないんだろう。

自分の価値も認められず、彼女はオレに対して配慮が足りなくて
元カノは当てつけのように手首を切る…

「…クソッ」

帰ろうとした身体を嫌々ながら病院へと向きを変えて、オレは仕方なく美夜の様子を見に行った。



…なんか、もう嫌だ。


病院に着くと、やはりお姉さんが待っていた。

「青山くん、ゴメンねメール送ったりして。でも──」

「…分かってますから。美夜はどこですか?二人で話ししたいんですけど」

「三階よ。308号室。個室だから。私はここに居るわね」

「わかりました」

教えられた病室を探し、ノックをして中に入った。

「美夜、オレだけど」

「…」

美夜は起きている。だけどオレに背を向けたまま、こちらを向こうとはしなかった。

そんな態度が、余計頭にくる。──冷静に、怒りが込み上げる。気持ちは今まで以上に冷めていった。

「…嫌がらせ?そんな事したってやり直せないよ。分かってるだろ?」

「…どうすればいいのか分かんないんだもの。自分でも何をしてるのか分からないんだもの…」

「だったらちゃんと死ねよ。こんな脅しじゃなく死んでみせろよ」


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