プライベート・スカイ
「えっ、いいの?!ホントに?!」

──んっ!?

なに、なにがいいって?

ヤバい。全然聞いてなかったのに返事しちゃった。

でもこの中川さんの喜びよう。もしかして…

「じゃ、ドコに行くか考えとくよ!楽しみだねっ」

「え、あ、う、うん…?」

快く返事はできなかった。

ああ…やっぱりな。

遊びに行こうって誘ってくれてたんだ。
マズイな…

これも仕事だと割り切る?
普段なら平気よ。お客様とのアフターだってあるし、営業の一つだと思って会ったりしてるから。

透依には言わないけど、たまにある。そういう『仕事』

でも相手は中川さんなんだよね。透依の先輩…断るのもなんかヤバそうだし

かと言ってホントに遊びに行くと、透依が気にするんじゃないのかな。

どうしよう、透依?

聞きたいのに、今は聞けない。

もう断れないくらい、中川さんは満面の笑みを浮かべて話しをしている。

…私に好意を持ってくれてるのは分かるのよ…それは仕事としても上手くいってるって事だと思うの。

だけど私には透依がいるから、心が揺らいだりしないわ。

例え中川さんと遊びに行っても、私は大丈夫だと…透依に言えば彼は安心する?

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