プライベート・スカイ


───ブツッ!!


乱暴で一方的に、透依との電話を切った。

…ムカついた。

あんな風に頭から否定されたら悔しい。私の仕事は悪いの?

楽に稼げる仕事じゃないのに…

…私・が信用ないのかな

透依は今までそんな事一度も言わなかった。だから多少なりとも理解あるのだと思ってたけど…

やっぱり中川さんとのデートに引っかかってるのかな。


私も途中でムカついて話していたし、話しにはならなかったし
悪かったなって思った。

思ったけど…謝りのメールはしたくなかった。できれば彼からの連絡を待ちたい。

だって私だけが悪いわけじゃないもん。




透依からメールとか、電話がかかってくるんじゃないか──

そんな事ばかり気にして携帯を手放せなかった。

握り続けて、着信もなにもない事は分かってるのに何度も何度も画面を覗く。

ベッドに横になっても手にした携帯を見つめていた…

…なんでメールくれないのよ?

私のこと
嫌いになったの?

一つボタンを押せば簡単に彼の携帯に繋がるのに、彼の心には繋がれない。

彼が今何を思ってるのか分からない。

彼の心まではなんて遠いんだろう…携帯なんて役に立たないよ。
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