プライベート・スカイ
佳依は私の肩を抱き、よく聞こえるように私の耳元で話した。

「俺は欲しいと思ったものは、どんな事をしても手に入れる。そういうヤツだって知ってるだろ?」

「だからって…」

佳依との関係を知られたら…
薬の繋がりはバレなくても、佳依とSexした事がバレたら

私…絶対に捨てられる

透依にとっては浮気になるし、裏切りになる。

「欲しいんだ、お前が」

「やめて…そんなの無理…」

「よく考えてみろよ?透依と別れたら、元カノに金を払わずに済むんだぜ?」

「…?!どうして…そんな事まで知ってるの」

「しまった、ちょっと喋り過ぎたな」

「佳依!答えて!」

「そんな事、どうだっていいじゃん。俺はもう知ってるんだから。

どうする?俺の彼女になる?」



そんなの──
選べない。

佳依の彼女になんてなれないし、透依には知られたくないし

私は悔しくて、涙を流していた。

佳依さえ居なければ、私はもう少しだけ幸せだったと思うの。

私を好き勝手にレイプした佳依。

今さら付き合えだなんて

私は人形でもペットでもないのに
逆らえないの…


私は諦めて頷いた。

「分かったから…透依には言わないで…」


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