プライベート・スカイ
今だけ、彼と付き合う事をOKして
この場をどうにかやり過ごせるとは思わなかった。

だけど透依とは別れたくないし、どうしたらいいのかも浮かばなくて頭の中は真っ白だった。

ただ、佳依はそれでも満足したようだった。

『私』という玩具を手に入れた子供みたいに勝ち誇ったような笑顔。

そうね
子供なのよ──だからこそ、残酷な事も平気でできるんだわ。

だから何をするかわからなくてキケン…

「言わないでいてやるよ。そのかわり、早く別れろよ。
あと、この後はどうする?」

「この後って」

「まだSweetPain売りさばく?」

「…やるわ。お金は必要だもの」

「代わりに俺が払ってやるのにな」

「いいの!私が頑張るから」

「まぁいいや、勝手にすれば?じゃあな」

「…帰るの?」

「具合悪いんだろ?最初に行ってた通りにここで俺は帰るよ」

「うん…じゃあね…」

思ったよりもアッサリと帰った佳依の後ろ姿を見て、私はホッとした。

でも、どうしよう…

こんなの透依には言えなくて、もちろん誰にも言えないし

唯一、私の全部を知ってるのはアズマだけだけど

相談したって佳依に筒抜けだわ、きっと…



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