プライベート・スカイ
結局…

誰にも何にも言えないまま、今まで通りの生活を続けた。

まだ透依と付き合ってるし、佳依とも付き合ってる状態。

キャバの仕事もしながら、薬を売りさばき

少しお金がまとまると、成田美夜の口座に入金した。

…どんどん自分の精神が追い込まれていくのが分かった。

透依が好き。

なのに、裏切ってる。

好きだから別れたくないのに、嘘ばっかりついてる。

逃げたい…

こんな世界から。透依と一緒に、誰も私達を知らない世界に行きたい。

だけど、逃げる為には全部彼に話さなきゃならない。そしたら…絶対に捨てられるんだわ。

苦しかったけど、透依には会いたかった。
会うと私はずっと彼に抱きついて離さなかった。

「なんかあったのなら話せ」

って言われても、言えないんだもん…

彼の温もりが私の心を傷つけていた。それでも私はそばに居たくて透依にくっついて泣いてばかりだった。


体調は悪くなる一方だった。
精神的な事が原因なのは自分でも分かってる。

だけど、そんな事すら透依には言えなかった。




『デートしよう、レイナ。今サンシャインの展望台に居るんだ』

私の体調が最悪な時に透依はそうメールしてきた。
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