プライベート・スカイ
「て…転勤って…」

「うん…遠距離とか嫌だし、だからさレイナを一緒に連れていこうと思ったんだ」

いや…待って…
待ってよ…

透依と離れるなんて嫌!だけど透依について行く事もできない。

佳依になんて話すの?別れろって言われてるのに?
第一仕事は?

お金は?
慰謝料は?

無理だよ…
だけど理由を透依には何一つ話せない。

「九州なの…?ずっと向こうになるの?」

「うん、長崎。ずっとってわけじゃなくて、多分一年とか…場合によってはもっと長くなるけど」

完全に遠距離恋愛…多分、私は無理だと思うの。

独りは耐えられない。

「それって断れないの?」

「何言ってんだよ?!オレ、出世するんだぜ?仕事を認められたから、向こうでの仕事を任されたんだ!

レイナ…まさか、行かないとか言わないだろうな」

「…ゴメン」

「'ゴメン'って何?!なんでダメなん?!」

「私にだって生活とか色々あるし…それにお母さんのお墓とか家とかあるし…」

「はぁ?なに言ってんの?仕事辞めてオレについてこいって言ってんのに!だったら何!?もう結婚しようか?!
それならついて来るだろ!!」

「なんでそんな風に言うの?」

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