プライベート・スカイ
「そんな事言ってたらお店が潰れちゃうわよ!」

レイナちゃんが入ってくると、いつもは冷静に話していたユリちゃんが

今日は怒りがおさまらなかったみたい。

少し二人で話しをしていたけど、話しは平行線らしく

レイナちゃんはあたしに話しかけてきた。

「…雨峰ちゃん、こういう仕事だから難しい部分もあると思うんだけど…

もう少し頑張っみよ?仕事は出来るようになったもん勝ちだし
その方が雨峰ちゃんだって楽だと思うし」

──だから

     なに?




なんだって上手くやれるレイナちゃん。

だからあたしが難しいって思うような仕事だって『簡単』そうに言う。

美人だし、優しい(?)彼氏だっていて、ちょっと家庭が不幸だけど

願えば何でも手に入るじゃない…

ユリちゃんの言いたい事も分かるよ?

仕事熱心だから怒るのもわかるし、単にイジメたくて怒鳴ったりしてるんじゃないって知ってる。

確かに自分がダメだなぁって思うから、言い訳もしないようにしてる。

怒られるのも仕方ない。

だけど、そんなあたしをレイナちゃんは『可哀想』だと思ってるから

『優等生』らしく言うの。





───イライラする…



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