プライベート・スカイ
そんなにアズマの事、好きじゃないし!

「ちょっと、アズマ!」

「お前は黙ってろ!」

う…っ
なんでそんなに怒るのよぉ…

二人の空気が怖くて、あたしは黙ってるしかなかった。

「本当なの…?雨峰ちゃんと付き合ってるの?」

「ああ」

「アレは関係ないのね…?」

「関係ねーよ」

「好き…なの?」

「本気だよ。コイツに惚れたから付き合ってる。それがどうした?」

「そ、そう…それならいいの…大事にしてあげて」

アズマはあたしをBMWの助手席へと強引に押し込むと、ドアを閉めた。

「雨峰はこのまま連れてくから。じゃあな」

レイナちゃんに対して一方的に言うと、アズマは車に乗り込み走りだした。

「アズマ、あたし店に戻らなきゃ!」

「どっちだよ?!逃げ出してきたんじゃねーのか?!」

「そうだけど、でも…」

仕事を放り出して逃げるなんて、無責任な行動だった。

ちょっと落ち着いてきて、メチャメチャ反省してるのに…

「今日はもういいじゃん。このまま俺ん家に行く!」

「はっ?アズマん家?なんで?」

いきなりなんでよ?家は今まで秘密だったのに?

「お前を抱きたくなってるからだよ!」


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