プライベート・スカイ
仕事をしていれば彼女の事は忘れられる。

仕事の事だけ考えていれば、他の事は考えなくていい…

夜は飲みにも行かない。

誘われて、どうしてもって時は居酒屋にしてもらった。絶対、キャバになんか行くもんか。

ブログだってアップする気にならない。

向こうとは全然違う空を、今は見たいとも思わなかった。




そんな時、同じ部署の女のコに声をかけられた。

「みんなで飲み会の話しが出てるんですけど、青山さんも行きますよね?」

「あー…」

あんまり騒ぐ気分じゃない。慣れない職場の人達と、仲良くなるにはいいのだけど

ちょっと疲れてるし…今回は断ろうと思った。

「今回はちょっと…また今度誘って」

「えぇっ!?ダメですか?!今回私が幹事なんですよー!他の先輩達から青山さんを誘うように強く言われてて…

やっぱダメですか!?」

すがるような目で、オレを見る彼女。

まるで子犬みたいだ。

オレは諦めてOKした。

「…分かった。行くよ」

「やった!じゃケータイ教えてもらってもいいですか?」

「ん、いいよ」

二人で赤外線で番号とメアドを交換。

そこで初めて《小岩まり子》という彼女のフルネームを知った。
< 223 / 379 >

この作品をシェア

pagetop