プライベート・スカイ
特に何か期待してたわけではなかったが、宴会はそれなりに楽しかった。

けっこう気晴らしになってるらしく、気持ちが軽くなったのが分かった。

息つく余裕もなかったもんな…

みんなと仕事以外の事も話したりして仲良くなれた。

席を転々として、また自分の席に戻ってきた時、隣には幹事の小岩まり子が座っていた。

「みんなと仲良くなれました?」

「うん。来てよかったかも」

「よかったー。東京からいきなりこっちじゃ、なかなか慣れないんじゃないかと思ってたんですよ」

周りも気をつかってくれてたらしい。
余計、来て正解だったと思った。

「仕事はそうでもないけど生活がね~。一人暮らしって初めてだし自炊とか出来ないし」

「じゃ毎日どうしてるんですか?」

「コンビニとか、外食かな」

「お金かかりますね」

「まぁ仕方ないよね」

「私…なんか作ってあげたいな…」

「え?」

呟くように言った言葉に対してオレが聞き返すと、慌てて彼女は言葉を付け足した。

「あ、あのっ、料理得意なんです、私っ!!」

「ふーん?でも悪いよ」

「そんなの全然…青山さん…」

「ん?」

「私…青山さんの事、好きになってもいいですか?」
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