プライベート・スカイ
数日ぶりに触れる他人の唇。

彼女の唇は、ひたすらオレを求めていた。









「…青山さん。どうして目を閉じないんですか?」

「…」

美味い手料理。幸せそうな笑顔。欲しいものを'欲しい'とハッキリ言えて

素直に自分の思ってる事を表に出せる…

「青山さん…?」




レイナとは正反対。

どうしてこんなにレイナの事を思い出すのか分からない。

レイナと違う部分を見れば見るほど
比べたって仕方ないのに。だってもう…

「もしかして…やっぱり彼女とか居たんですか?」

まり子が不安そうな顔でオレを見ていたけど…オレは彼女の目を見る事はできなかった。

レイナという存在を否定せず、かと言ってまり子とキスを続ける気にもならなかった。

このまま、この子を抱いてしまおう…

そうすればレイナを忘れられるんじゃないかと思いながらも、彼女を抱きしめない自分。

オレ…何してんだよ。何にも考えずに抱いちゃえばいいんだ。

レイナとは終わったんだ。だから新しい彼女を作ったっていいと思うし…思う…し





「…♪♪♪♪」

タイミングがいいのか悪いのか分からないが、沈黙を破るように携帯電話が鳴った。
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