プライベート・スカイ
透依にはああ言ったけど、私ほとんど仕事を辞めたのも同じような状態だった。

中川さんの電話で、透依とケンカしたあの夜から

仕事には行けなくなった。

途中で透依の名前を呼んだ私…。彼と別れたくなくて、泣きながら必死に何度も透依を呼んだ私。

中川さんにも、お店の子達にもマスターにもお客さんにも

私が透依と付き合ってる事がバレてしまったの。

こんなんじゃ仕事なんかできない。キャバ嬢失格よ。もう無理。

だから私、佳依と連絡も取らずに部屋に引き籠ってる。

雨峰ちゃんだけが、私を心配してくれてた。

『気にすることないって!きっとみんなにはバレてたよぉ~皆の中では今さらって感じだよねぇ?』

一生懸命なフォロー。

雨峰ちゃん、どうして私を心配するの?

私、雨峰ちゃんのお兄さんにSweetPainを売りつけたのかもしれない。

アズマが好きになった雨峰ちゃんに嫉妬してるのかもしれない。

透依と仲の良い雨峰ちゃんを嫌いだと思ってるのかもしれない。




そう
    嫌い…


雨峰ちゃんが嫌い。
アズマを奪った雨峰ちゃんが嫌い。

みんな嫌い。

自分も嫌い。

だから
SweetPainを飲んだ。

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